屋根カバー工法で断熱性能のアップ
- リフォームコラム

雨や台風が多い季節になると、住まいの雨漏りや屋根の不具合が急に表面化することが多く、お住まいの耐久性に不安を覚える方も少なくありません。
近年注目を集めているのが、既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる屋根カバー工法です。
この屋根カバー工法は、工事費用や期間を抑えられるだけでなく、住まいの断熱性能を高める効果も期待できます。
こちらのコラムでは、屋根カバー工法による断熱効果の仕組みや、施工を進める上で知っておきたい大切なポイントについて詳しく解説します。
目次
屋根カバー工法による屋根の性能向上とメリット

そもそも屋根カバー工法とはどのような工法か
住宅の屋根リフォームには、主に塗装、葺き替え、そしてカバー工法の3つの選択肢があります。
その中でも近年、多くの住宅で採用されているのが屋根カバー工法です。
この工法は、現在ある古い屋根を撤去することなく、その上から新しい防水シートと軽量な金属製などの屋根材を被せて二重にする先進的な施工方法を指します。
一般的に広く普及しているスレート屋根などの修繕において、非常に有効な選択肢として選ばれています。

従来の葺き替え工事では、古い屋根材をすべて剥がして処分する必要があるため、解体費用や廃材の処理費用が大きく膨らむ傾向があります。
特に2004年以前に建築された住まいの場合、屋根材にアスベストが含まれているケースがあり、その処分には特別な手続きと高額な費用が求められます。
これに対して、古い屋根をそのまま残す工法であれば、アスベストが空気中に飛散するリスクを抑えることができ、解体や処分のためのコストも大幅に削減することが可能となります。
屋根の断熱性能が向上する仕組み

この工法を採用することによる隠れた大きなメリットが、住まいの断熱性能の向上です。
屋根が二重構造になるということは、単純に防水性や耐久性が高まるだけでなく、外からの熱や寒さを防ぐ障壁がもう一枚増えることを意味します。
特に夏の強い日差しや冬の厳しい冷気は、屋根を通じて室内に伝わりやすいため、屋根の遮熱性や保護性能を高めることは、住まい全体の快適性を左右する重要な要素となります。

具体的には、既存の屋根材と新しい屋根材の間にわずかな空気の層が生まれます。
この空気層が天然の断熱材のような役割を果たし、外部の急激な温度変化が直接室内に伝わるのを防ぐのです。
さらに、最新の金属屋根材には、あらかじめ裏面に厚い断熱材が一体化されている製品が多く存在します。
このような高機能な屋根材を選択することで、空気層による効果に加えて、素材そのものが持つ高い熱抵抗力によって、効率的に熱の出入りを遮断することが可能になります。
カバー工法がおすすめの屋根と対応出来ない屋根
屋根カバー工法がおすすめの屋根

カバー工法をが最も適しているとされるのは、表面の劣化やひび割れは見られるものの、屋根の下地である野地板や内部の防水シート自体はまだ健全な状態を保っているケースです。
築年数が15年から25年程度で、これまで一度も大きな屋根リフォームを行っていないスレート屋根の住宅などは、まさに理想的なタイミングであると考えられます。
このような屋根はカバー工法は不向き

万能に見えるこの工法ですが、すべての屋根に対応できるわけではありません。
例えば、すでに重大な雨漏りが発生しており、屋根を支えている木材や下地が腐食してしまっている場合は施工が困難です。
傷んだ下地の上から新しい屋根を被せても、内部の腐食が止まることはなく、最終的に住まいの構造そのものを脅かす危険性があります。
このような場合は、費用がかかったとしても古い屋根をすべて撤去し、下地から新しく作り直す葺き替え工事を選択することが適切な判断となります。

また、現在の屋根材が伝統的な日本瓦(粘土瓦)などの波打った形状である場合も、その上から平らなシートや金属材を重ねることが物理的に不可能なため、対象外となります。
現在の屋根の形状や材質、指示内部の劣化状況によって最適なアプローチは異なるため、事前の正確な診断が何よりも重要です。
専門家の意見に耳を傾け、長期的な住まいの維持管理計画に沿った最善の方法を選択することが、資産価値を守る上でも大切になります。
断熱効果を引き出すための屋根材

リフォームを通じて高い省エネ効果を得るためには、新しく被せる屋根材の選び方が極めて重要になります。
現在主流となっているのは、ガルバリウム鋼板やそれをさらに進化させたエスジーエル鋼板と呼ばれる軽量な金属素材です。
これらの金属屋根材は、非常に軽いため建物への重量負荷を最小限に抑えられるというメリットがある一方で、金属特有の性質として熱を伝えやすいという側面も持っています。
そのため、素材選びの際には一工夫が必要となります。

そこで注目したいのが、金属板の裏側にポリウレタンフォームなどの優れた断熱性を持つ素材が最初から貼り付けられている断熱材一体型の屋根材です。
このタイプの屋根材を使用することで、金属の弱点である熱伝導の手軽さをカバーし、夏の太陽光による熱をしっかりと遮断することができます。
また、この裏打ちされた素材は雨音が室内に響くのを防ぐ防音効果も併せ持っているため、静かで快適な室内環境を作り出すのにも役立ちます。

さらに、屋根材の表面に塗布されている塗料の機能にも注目すると良いでしょう。
遮熱塗料がコーティングされている屋根材は、太陽光の赤外線を効率よく反射するため、屋根表面の温度上昇そのものを抑制する効果があります。
裏面の素材による熱の遮断と、表面の塗料による太陽光の反射という二つのアプローチを組み合わせることで、室内の温度上昇を効果的に抑え、エアコンの稼働効率を高める環境を整えることができます。
金属屋根の重量と耐震性への配慮

屋根を二重にすることによる建物への重量の影響を心配される方もいらっしゃいます。
確かに屋根全体の重量は増加しますが、新しく採用するガルバリウム鋼板などの金属屋根材は、一般的な和瓦の約10分の1、スレート屋根の約3分の1という驚異的な軽さを誇ります。
そのため、既存の屋根の上に重ねて施工したとしても、建物全体に与える重量負担は比較的軽微であり、耐震性能に大きな悪影響を及ぼす可能性は低いとされています。
しかし、建物の構造や築年数によっては事前に構造計算や強度の確認を行うことが望ましいと言えます。

屋根カバー工法は、費用や工期を抑えながら住まいの耐久性と断熱性能を同時に向上させることができる工法です。
現在の屋根の状態や材質によっては施工が適さないケースもあるため、事前の正確な調査が重要となります。
信頼できる専門業者による丁寧な建物診断を受け、住まいに最も適した工法と高機能な屋根材を選択することで、一年中快適で省エネ性能の高い住環境を整えていきましょう。
外壁のらいとは地域特有の気候条件を熟知した屋根修理の専門家として、最適なカバー工法プランや修繕方法をご提案いたします。
ぜひお気軽に外壁のらいとまでお問い合わせください。




