外壁の汚れは高圧洗浄で解決できる? 外壁塗装は必要?
- リフォームコラム

戸建てにお住まいで、外壁の汚れが気になり始めた、という方は多いのではないでしょうか。
特に築10年程度が経過すると、新築時にはピカピカだった外壁も、カビ、コケ、排気ガスなど様々な要因で徐々に汚れてきます。
「この汚れ、どうにかしたいけれど、外壁塗装が必要なの?」「外壁塗装をする前に、高圧洗浄で綺麗になるのでは?」と疑問に感じている方もいらっしゃるでしょう。
このコラムでは、外壁リフォーム専門家の視点から外壁の汚れの原因と、その対策としての高圧洗浄や外壁塗装の役割、そして外壁塗装が必要となるタイミングについて、詳しく解説していきます。
目次
外壁の汚れが気になる

家の顔とも言える外壁の汚れは、見た目の美観を損なうだけでなく、建物の劣化のサインである可能性もあります。
多くの方が外壁の汚れをきっかけに、外壁塗装やメンテナンスを検討し始めます。
築年数が経つにつれて、外壁は様々な環境要因に晒されるため、汚れは避けて通れない問題です。
外壁が汚れる理由
外壁が汚れる原因は一つではありません。
主に以下のようなものが挙げられます。
カビ・コケ・藻の発生
日当たりが悪い場所や湿気がこもりやすい場所に発生しやすく、特に緑色や黒っぽい汚れとして目立ちます。
これらの生物は、外壁の塗膜や素材のわずかな水分を栄養源として繁殖します。
排気ガス・煤煙
交通量の多い道路沿いでは、車の排気ガスに含まれる油分や煤が外壁に付着し、黒ずみとして現れます。
雨垂れ・水垢
窓枠や換気口の下など、雨水が伝いやすい部分に、空気中のチリやホコリが混ざった雨水が乾燥することで、筋状の汚れとなります。
砂埃・塵
風に乗って運ばれてきた砂や埃が外壁の表面に付着し、全体的なトーンダウンを引き起こします。
塗膜の劣化(チョーキング現象)
塗膜が紫外線などにより分解され、粉状になって外壁表面に浮き出てくる現象です。
触ると手に白い粉がつくのが特徴で、これも汚れの一種と見なされます。
これらの汚れを放置すると、見た目が悪くなるだけでなく、外壁の防水性や耐久性の低下に繋がる場合もあります。
そのため、適切なメンテナンスが重要になります。
外壁塗装は何のために行う?

外壁塗装は、単に外壁を綺麗にするためだけに行うのではありません。
外壁塗装の最も重要な役割は、建物を紫外線や雨風から守ることにあります。
建物の保護
外壁材自体が水分を吸い込んだり、紫外線で劣化したりするのを防ぎます。
塗膜が防水の役割を果たし、雨水が建物内部に侵入するのを防ぐ重要なバリアとなります。
美観の維持
新築時の美しい外観を回復させたり、色やデザインを変えることで家のイメージを一新したりすることができます。
資産価値の維持・向上
定期的なメンテナンスは、建物の寿命を延ばし、将来的に売却する際の資産価値を維持・向上させることに繋がります。
機能性の付与
遮熱、断熱、防カビ、セルフクリーニングなどの特殊な機能を持つ塗料を選ぶことで、住まいの快適性やメンテナンス性を向上させることが可能です。
一般的に外壁塗装の塗り替え時期の目安は、塗料の種類にもよりますが築10年前後とされています。
この時期になると、汚れの目立ちだけでなく、塗膜の劣化が進み、保護機能が低下し始めるためです。
高圧洗浄で出来ること

高圧洗浄の目的は、外壁塗装の密着性を高めることです。
汚れや劣化した旧塗膜が残った状態で新しい塗料を塗ると、塗料が外壁にしっかりと密着せず、早期の剥がれや膨れの原因となってしまいます。
そのため、高圧洗浄は外壁塗装の仕上がりと耐久性を左右する、非常に重要な下地処理工程なのです。
外壁の高圧洗浄の行い方

外壁の高圧洗浄は、ただ単に水をかける作業ではありません。
外壁材の種類や汚れの程度に合わせて、適切な水圧と洗浄方法を選びます。
強い水圧で洗い流すことでカビやコケ・古い塗膜の浮いた部分・長年の間に蓄積したホコリや排気ガスの汚れなどを、効率良く除去することができます。
外壁材によっては、水圧が強すぎると外壁材そのものを傷つけたり、継ぎ目から水が浸入したりするリスクがあります。
サイディングボードやALCパネルなど、外壁材の特性を理解し、最適な水圧に調整することが重要です。
バイオ洗浄剤の併用
カビやコケがひどい場合には環境に配慮した専用のバイオ洗浄剤を併用することがあります。
これにより、汚れの根元まで殺菌・分解し、高圧洗浄の効果を最大限に高めます。
外壁塗装が必要な住まいの特徴

外壁の汚れが気になる際に、高圧洗浄だけで済むのか、それとも外壁塗装が必要なのかを見極めることが重要です。
塗り替えが必要なサインをいくつかご紹介します。
チョーキング現象
外壁を触ると指に白い粉(塗料の顔料)がつく場合、塗膜の保護機能が失われ始めている証拠です。
これは外壁塗装を検討すべき明確なサインです。
ひび割れ(クラック)
外壁にひびが入っている場合はそこから雨水が浸入し、外壁材の内部や建物構造の腐食を引き起こすリスクがあります。
高圧洗浄では解決しない補修と塗装が必要な状態です。
塗膜の剥がれ・浮き
塗膜が外壁材から部分的に剥がれたり、プクッと浮いていたりする場合、外壁材への水の浸入や、さらなる剥がれの進行を防ぐために外壁塗装が必要です。
目地のコーキングの劣化
サイディングボードなどの継ぎ目にあるコーキング(目地材)が切れたり、痩せたりしている場合、外壁材の動きを吸収できなくなるだけでなく水の浸入経路となるので、打ち替えが必須です。
カビ・コケが広範囲
高圧洗浄で一時的に綺麗になっても、塗膜の防水性が落ちていると再発しやすくなります。
広範囲にわたる頑固なカビやコケは、塗膜の劣化を示唆しており、防カビ性の高い塗料での外壁塗装が推奨されます。
これらのサインが見られる場合、外壁塗装は単なる美観の回復ではなく、建物を守るためのメンテナンスとなります。
特に築10年程度の住宅は、これらの劣化サインが出ていないか、定期的にチェックすることが大切です。
外壁塗装の専門家に無料診断を依頼し、外壁の状態を正確に把握することをお勧めします。
高圧洗浄で済む場合

外壁塗装が必須ではなく、高圧洗浄のみで一定期間、美観を回復できるケースもあります。
それは、外壁材自体の塗膜にはまだ十分な保護機能が残っており、表面的な軽微な汚れが主である場合です。
築年数がまだ浅い(5年以内など)
新築時の塗膜がまだ十分に機能しており、排気ガスやホコリによる表面的な汚れが目立つ程度。
チョーキング現象やひび割れなどの劣化症状がない
外壁を触っても粉がつかない、大きなクラックや剥がれがない状態。
一時的な美観回復が目的
外壁塗装の予定はまだ先だが、急な来客やイベントに合わせて一時的に外壁を綺麗にしたい場合。
ただし、高圧洗浄で汚れを落としたとしても、外壁の塗膜が劣化していれば、高圧洗浄は一時的な対処療法に過ぎません。
外壁塗装専門家としては、高圧洗浄で汚れを落とした後に、塗膜の状態を詳しくチェックし、将来的な外壁塗装の計画を立てることを推奨します。
高圧洗浄のみで済ませる場合も、外壁材を傷つけないよう、専門業者に依頼することが最も安全で確実です。
外壁の汚れや劣化状況に不安やお悩みがある方は、ぜひ一度外壁のらいとにご相談くださいませ。




