【屋根カバー工法で後悔しない】専門家が語るリフォームのポイント
- リフォームコラム

築15年以上が経過したお住まいでは、雨風による屋根の劣化が気になる方が多いです。
「そろそろ屋根のメンテナンスが必要だけど、どの工法を選べばいいか分からない」「費用を抑えたいけど、安かろう悪かろうは避けたい」
…そうお考えの方に、今回は屋根のリフォームの専門家として、近年注目を集めている屋根カバー工法について詳しく解説いたします。
単にメリットだけでなく、知っておくべきデメリットや失敗しないためのチェックポイントまで、後悔のない屋根リフォームを実現するための知識をお伝えします。
屋根は住宅の最上部で、常に紫外線や風雨、気温の変化にさらされています。そのため、定期的なメンテナンスは住宅の寿命を延ばす上で不可欠です。
しかし、屋根のリフォームには高額な費用がかかるため、慎重な検討が求められます。
屋根カバー工法は、費用を抑えつつ短期間で工事が完了するメリットから人気を集めていますが、その特性を理解せずに工事を進めると、思わぬトラブルや後悔につながることがあります。
こちらの記事では、屋根カバー工法がどのような工事なのか、どのような場合に適しているのか、そしてどのような点に注意すべきか、専門的な視点から掘り下げていきます。
目次
屋根カバー工法とは?

屋根カバー工法とは既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材を重ねて葺く(ふく)リフォーム工法です。
別名重ね葺き(かさねぶき)とも呼ばれます。
この工法の最大の特長は、既存の屋根材の撤去・処分費用が発生しない点にあります。
一般的に、屋根の全面リフォームには既存の屋根材を剥がし、その下地を補修し、新しい屋根材を葺く葺き替え(ふきかえ)工法が用いられますが、この場合、屋根材の撤去や処分に多くの費用と時間、そして手間がかかります。

また、アスベストを含有する古い屋根材の場合、その処分には特別な処理が必要となり、さらに費用が膨らむ可能性があります。
一方、屋根カバー工法は既存の屋根材を屋根の下地として利用するため、これらの費用と時間を大幅に削減することができます。
工事期間も短く済むため、生活への影響も最小限に抑えられます。
しかし、この工法はあくまで既存の屋根の状態が良好であることが前提となります。
既存の屋根の劣化が激しい場合は、カバー工法では根本的な解決にはなりません。
したがって、事前に専門家による詳細な診断が必須となります。

屋根カバー工法は、いわば屋根の洋服の重ね着と考えるとイメージしやすいでしょう。
古い洋服の上に新しい洋服を重ねて、見た目を一新し、さらに機能性も向上させるようなものです。
しかし、古い洋服がボロボロでは、重ね着しても意味がありません。
屋根カバー工法が適している屋根とは?

屋根カバー工法は、どのような屋根にも適用できるわけではありません。
この工法を成功させるためには、既存の屋根の状況を正確に見極める必要があります。
以下に、屋根カバー工法が適している屋根の特徴を挙げます。
1. 既存の屋根材が「スレート瓦」であること
スレート瓦は、軽量で施工性が高いことから多くの戸建て住宅で採用されています。その特性からカバー工法との相性が非常に良いとされています。
しかし、同じスレート瓦でもアスベストを含まないノンアスベストのスレート瓦は、製造から15年程度でひび割れや反りなどの劣化が進む傾向があるため、注意が必要です。
アスベスト含有のスレート瓦は耐久性が高いですが、築年数が経つと表面の塗膜が剥がれ、苔や藻が生えやすくなります。
いずれにしても、既存の屋根材がスレート瓦であれば、比較的カバー工法が選択肢に入りやすいと言えます。
2. 既存の屋根が「健全な状態」であること
屋根カバー工法を行うには、既存の屋根材のひび割れや破損が軽微で、屋根の野地板や垂木といった下地材が腐食していないことが大前提となります。
専門家による綿密な現地調査で、屋根の凹凸や勾配、劣化の度合い、そして雨漏りの兆候がないかを徹底的に確認する必要があります。
もし雨漏りの形跡や、屋根材の広範囲にわたる破損が見られる場合は、葺き替え工法も選択肢に入ってくるでしょう。
3. 既存の屋根材が「軽量」であること
屋根カバー工法では、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、屋根全体の重量が増加します。
住宅の構造体にかかる負担を考慮すると、元の屋根材が軽量であることが望ましいとされています。
日本瓦(陶器瓦)は重量があるため、その上から重ね葺きすることは構造上危険であり、原則としてカバー工法は適用できません。
カバー工法で使用される新しい屋根材は、ガルバリウム鋼板などの軽量な金属屋根材が主流です。
これにより、既存の屋根材と合わせても、総重量が日本瓦の屋根よりも軽くなるケースも珍しくありません。
屋根カバー工法のメリットとデメリット
屋根カバー工法は、多くのメリットがある一方で、無視できないデメリットも存在します。
これらを十分に理解した上で、ご自身の住宅に最適な工法を選択することが大切です。
メリット

費用が安い
既存の屋根材の撤去・処分費用がかからないため、葺き替え工法に比べて総費用を抑えることができます。
これは、リフォームを検討する上で最も大きな魅力と言えるでしょう。
工期が短い
撤去作業がない分、工事期間が短縮されます。
一般的には、葺き替え工法が1週間程度かかるのに対し、カバー工法は数日で完了することもあります。
これにより、工事中の生活への負担を軽減できます。
アスベスト飛散のリスクがない
古いスレート瓦にはアスベストが含まれていることがありますが、カバー工法では既存の屋根材を撤去しないため、アスベストが飛散するリスクがありません。
断熱・遮音効果の向上
既存の屋根材と新しい屋根材の間に空気層ができるため、断熱効果や遮音効果が期待できます。
特に夏場の室温上昇を抑える効果は、体感しやすいメリットです。
デメリット

屋根の総重量が増加する
新しい屋根材の分、屋根全体の重量が増えます。
軽量な屋根材を選んだとしても、構造体への負担は増えるため、家の耐震性を考慮する必要があります。
特に、雪国にお住まいの場合、積雪時の荷重も加味して慎重に検討しなければなりません。
下地の状態を確認できない
既存の屋根材を撤去しないため、その下の野地板や垂木といった下地の腐食や劣化状況を直接確認できません。
もし下地が腐食しているのにカバー工法で上から塞いでしまうと、内部でさらに劣化が進み、将来的に大規模な修繕が必要になる可能性があります。
再度カバー工法はできない
一度カバー工法を行うと、その上にさらに新しい屋根材を重ねることはできません。
次に屋根リフォームを行う際は、既存の屋根材と重ねた屋根材の両方を撤去する必要があり、費用と手間が大幅にかかることになります。
したがって、カバー工法は一度きりのリフォームと考えておくべきです。
すべての屋根材に適用できるわけではない
日本瓦やセメント瓦など、重量のある屋根材には原則として適用できません。
また、屋根の形状や勾配によっては施工が難しい場合もあります。
後悔しないための業者選びとチェックポイント

屋根カバー工法は、専門的な知識と高い技術が求められる工事です。
後悔しないリフォームを実現するためには、信頼できる業者選びが不可欠です。
以下のポイントを参考に、慎重に業者を選定してください。
施工実績と資格の有無を確認する
屋根工事の豊富な実績があるか、そしてかわらぶき技能士などの専門的な資格を持った職人がいるかを確認しましょう。
実績が豊富であれば、様々なケースに対応できる経験とノウハウがある証拠です。
また、施工後の保証内容についても、具体的に確認することが大切です。
丁寧な診断と説明をしてくれるか
契約前に、ドローンや屋根に直接上がって、屋根の状態を詳細に診断してくれる業者を選びましょう。
単に「カバー工法で大丈夫です」と安易に勧めるのではなく、なぜその工法が最適なのか、デメリットや注意点も含めて丁寧に説明してくれる業者は信頼できます。
特に、既存の屋根の状態がカバー工法に適しているかどうかの判断は、専門家でなければできません。
下地の劣化や雨漏りの兆候を見逃さない診断力が、後々のトラブルを避ける上で最も重要です。
屋根材の選択肢が豊富か
カバー工法に最適な屋根材は、ガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板(SGL鋼板)などの軽量な金属屋根材です。
これらの屋根材は、軽量で耐久性や耐食性に優れており、近年ではデザイン性も向上しています。
複数のメーカーの製品や様々な色の選択肢を提示してくれる業者であれば、お客様の希望に沿った提案をしてくれる可能性が高いです。
また、遮熱・遮音機能を持つ高機能な屋根材を提案してくれるかどうかも、チェックポイントの一つです。
アフターフォローと保証制度の確認
工事が完了した後も、何か問題が発生した際にすぐに対応してくれるか、保証期間や保証内容が明確になっているかを確認しましょう。
工事後の雨漏りや不具合は、お客様にとって大きな不安要素です。しっかりとした保証制度があれば、安心して工事を任せることができます。
まとめ
屋根カバー工法は、費用や工期を抑えたい方にとって魅力的な選択肢です。
工法の特性を十分に理解し、既存の屋根の状態を正確に診断することが成功の鍵となります。
築年数が浅く屋根材の劣化が軽微、雨漏りの兆候がない、下地が健全、軽量なスレート屋根であるといった条件を満たしている場合、カバー工法は非常に有効なリフォーム方法です。
屋根のリフォームは、家の寿命を延ばすための重要な投資です。専門家の診断を受け、メリットとデメリットを比較検討し、納得のいく形でリフォームを進めましょう。
ご不明な点や、さらに詳しく知りたいことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。【外壁のらいと】が調査し、最適な屋根リフォームのプランをご提案いたします。




